バリ島のA子さんのこと

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バリ島のウブドにはおよそ200人の日本人が暮らしている。その大半はバリ人と結婚した日本人女性、もしくはリタイアして現地で老後を過ごす日本のお年寄り達である。僕がよく滞在するロスメンの一階には、東京からやってきて数年になる70代の日本人のおばあさんが住んでおり、僕が日本に帰る場合には「行ってらっしゃい」そしてバリに戻ると「お帰りなさい」と変わった?挨拶をしてくれる(笑)

その社交的なおばあさんの暮らす部屋には、いつも多くの日本人が集まってくる。そこで知り合ったひとりの日本人女性がウブドの南のはずれ、絵画で有名なブンゴセカン地区に住むA子さん。利発で快活な30代前半の女性だ。じつは彼女、日本でOLをしていた20代の頃に仕事の激務からくるストレスで身体を壊し、医者から膠原病と診断され、終いには医師からも見放された状態となって、休職に追い込まれた過去がある。

病床につき、二度と仕事の出来ないような状態にまで追い込まれた彼女は「どうせいつか死ぬのなら、自分が一番好きだったあのバリ島で死のう」そう覚悟して、単身バリ島中部ウブドの北はずれの山奥にあるロスメンで、3年もの間、ほとんど寝たきりのまま、毎日奥深い熱帯の森のなかで、ひとり静かに昼のひかりと夜の闇の世界を見つめて暮らしていたという。

それが不思議なことに、1年半ほど経った頃から少しずつ身体が動くようになり、全く医者にも掛らない状態だったにもかかわらず、なんと3年後にはすっかり快復して、若かりし頃の元気な心と身体を取り戻すことが出来たらしいのです。その後、彼女はバリ人の素敵なご主人と巡り会い、今も仲睦まじく幸せに暮らしています。まだ若いのに、その持ち前の明るさと面倒見の良さから、今ではウブド界隈に暮らす日本人の多くから慕われる存在にもなっている。

本当に病気だったの?というくらいに明るくて柔和な彼女とおしゃべりをしているだけで、こちらまで不思議なパワーを貰えてしまうような気がいたします。「◯◯さん、あなたもこっちに住んじゃいなさいよ。そんな病気、1年で治っちゃうから」と、僕も合うたびにそう云われてしまう(苦笑)

あんなに若くして、孤独に耐え、ひと一倍の修羅の世界をくぐり抜けてきた彼女のその表情は、時折り、まるで後光が射し込んでいるかのように見えることがある。人間的にあれほど素晴らしい女性も滅多にいないと、今もしみじみ思う次第です。彼女から他人の悪口を一度も聞いたことがない。これって、なかなか出来ないことであります。
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Commented by shinobueakira at 2010-02-02 23:02
素晴らしい女性A子さんとのご縁は偶然ではありませんね!お互い磁石のように逢う運命だったのでしょうね。
A子さんも頑張りましたね!凄いです!!
tokoroさんも繊細な神経の持ち主のようですから、少しラフにスローペースで楽しまれたらいいような気がします。(余計なおせっかいかもしれませんが・・・)
今日2月2日は篠笛の師匠の命日で、お線香を上げてきましたが、病弱だった奥さんが「気持ちの持ちよう次第で、私も元気になれるんだ」と言って笑顔で話してくれました。
娘さんの俳句、可愛いですね!
幼馴染のちなつちゃんとは今でも仲良くしているんでしょうね。
Commented by tokoro-11 at 2010-02-02 23:52
shinibueさん、こんばんは。
お互い磁石のような運命、といっても単なる知り合いですからね。
でも、年下の彼女の生き方から学ぶところは大きかった気もいたしますね。それはなんていうんでしょうか、「人間は謙虚で自然体であれ」というようなことだったかも知れませんです。若い頃の僕はけっこう自己中心的で、あくまで我が道をゆく、というようなタイプでしたから...。
そういえば、ブログの更新、こんなにハイペースでやったのは初めての経験ですね(苦笑)更新するたび、アクセスが増えてくると、連日見てくれるひとがいるんだ、というだけで毎日更新しないと悪いんじゃないかとか、ついつい余計なことを考えてしまって(笑)まあでも、そろそろ少しペースダウンしようかなと考えていたところであります。ちなみに、以前は3日に1度位のペースでした。だから長く続けてこられたんでしょうね、きっと。のんびり行こうと思っております。ちなみに本来の僕の性格は案外アバウトなんですよ、実は...(苦笑)近所のちなつちゃんも今は連日クラブ活動でほとんど一緒に遊ぶ暇がないみたいですね。
Commented by cyan2010 at 2010-02-03 00:04
すごいですね
3年間も寝たきり、そして復活
・・・簡単に言ってますけど、私には出来ないかもです
素敵な方とお知り合いですね
年齢に関係なく、人と人が心で交流するのは、生きて行く上で1番の歓びだと思います
Commented by tokoro-11 at 2010-02-03 00:16
こんばんは、cyanさん。今夜は珍しくまだ起きておりますよ(笑)
そう、ほんとうにあのひとの精神力はたいしたものだと思いましたね。
僕にも出来ませんね、たぶん。ただ、暑い地方で暮らすと、ひとの体温も上昇して、免疫力や自然治癒力が高まることは事実なようです。僕もバリ島のような南国に行って暫くすると、身体に力がみなぎってくるのが解りますから。特にアレルギー疾患とかにはとても効果があるみたいですよ。まあ、四季のある日本に戻ればまた元の木阿弥になるケースも多いですが。
Commented at 2010-02-05 01:41 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
by tokoro-11 | 2010-02-02 09:12 | バリ島スケッチ | Comments(5)

日暮庵へようこそ。日々思うことや感じたことなど気の赴くまま綴っています。既発表の詩や短歌もほんの一部だけ載せてます。


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