ジャパニーズ・スタンダード  

その昔、イザヤ・ベンダサンの書いた「日本人とユダヤ人」に「日本人は水と安全はただと思っている云々」というような記述があった記憶がある。確かに、まだ僕が幼かった頃のこの国には、ある意味で、そんな無防備というのか、裏を返せば、長閑で、とても安穏とした時代があったようにも思う。

学生時代、僕は横浜にある東急東横線の沿線に下宿をしていた。貧乏学生だったから、獲られるような物もお金もなかったせいもあるけれど、自分の部屋に鍵など掛けずに平気で学校や友人のところに出かけたりしていた記憶がある。

授業が終わると、ふと友人に会いたくなってアパートに立ち寄って、他人の部屋に上がり込み、勝手に本を読んだり、レコードを聴いたりしながら友人の帰りを待つ、なんてこともしばしばだった。

下宿の部屋にはテレビも電話も、それにケータイもパソコンも無かった時代。でも今よりも「彼は、彼女は、今頃どうしてるだろうか?」なんて、あれこれと思いを巡らしながらそぼ歩く、そういう愉しみがあったような気もする。

部屋には薄っぺらいガラス戸一枚だけ。プライバシーなんて意識も薄かった。でもまだあの頃は、破ろうと思えば破れるほどの、外との仕切りの薄い、そういう”時代”があったのだ。
Commented by mira at 2009-12-20 00:36 x
あっ、スキン変えたんですね。

そういえば、子供の頃、家も含めて近所中鍵をかけない家が多かったようです。訪問も前もって連絡することなしにいきなりっていうことも多かったし。豊かさや便利さと引き換えに何かを失ってしまった世の中。確かに最近の世は外との仕切りが厚くなって、人との結びつきが薄くなりましたね。

ちなみに今日はマイナス10度以下なのではと思わせるような寒さでした。それを聞いて、椅子にあぐらで座ったまま、カチンコチンに氷ってしまってるかもしれませんね(笑)
Commented by shinobueakira at 2009-12-20 08:59
学生時代、東横線沿線ですか?
私は学生時代4年間、井の頭線の西永福に卒業後は2年間、西部新宿線の新所沢に住んでいましたよ!(40年前か・・・懐かしいね)
プライバシーや個人情報保護法が重視されるようになって、世の中味気が無くなりましたね。
私の生まれ故郷(徳島県の田舎町)では今でも車の鍵は付けたままですよ!
「どうして?」と聴いたら・・・「顔見知りしかおらんから近所のものが盗んでいくこと無いよ!」と言ってました。
田舎に行くとこんなことが当たり前で通用するんですね。
Commented by tokoro-11 at 2009-12-20 12:25
miraさん、スキンは気分次第でコロコロと変えるほうなんです。気まぐれですので(笑)今は日本もあまり治安が良くないし、都会では泥棒が徘徊していようと皆無関心ですからね。お隣付き合いとか、親戚付き合いなども昔よりもずっと減った気がします。

マイナス10度ですか?でも思うんですが、気温3度くらいの都会のビル風が吹く場所を歩いている時よりも、むしろ雪のしんしんと降るような田舎に行った場合の氷点下の寒さのほうがむしろ暖かく感じられる場合もありますよ。まあマイナス10度はさすがにきついですがね(苦笑)今日辺りから、こちらは少し暖かさが戻ってきた感じがします。
Commented by tokoro-11 at 2009-12-20 12:44
shinobueさん、こんにちは。そうですか?新所沢にもお住まいだったのですか。それはそれは。あの当時はあの辺に新しい団地が沢山出来はじめた頃かも知れませんね。40年前というと、僕が小学校の六年生のころです。

田舎ではまだそんな長閑な場所もけっこうあるんですね。所沢は、典型的な東京のベッドタウンですので、近所づきあいは昔に比べて希薄になりました。
by tokoro-11 | 2009-12-18 14:54 | ノスタルジー | Comments(4)

日暮庵へようこそ。日々思うことや感じたことなど気の赴くまま綴っています。既発表の詩や短歌もほんの一部だけ載せてます。


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