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手打ちうどん・こせがわ

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♪東村山~、庭先きゃ、多摩湖~。ということで、志村けんさんの実家へちょいと。おっと、違いますね、骨折する直前に「ひさしぶりに食べてみるか」と思い立ち、クルマに飛び乗りひと山越えて、出かけてみたのが隣町にある手打ちうどんの「こせがわ」さん。このお店も何の変哲もない静かな住宅街にひっそりと佇むようにしてあるんですけれどね、奥まった、こんな辺鄙な場所でも立派に商売が成り立つんですから、さすがは、武蔵野うどんのメッカ・東村山。

実際には自分、このお店で直接食べることはあまりなく「うどん食べたいな」ってふいに思い立ったとき、たまに玉売りを買いに出かけるお店のひとつなんです。この周辺には、まだまだ昔懐かしい地粉のうどんを出すお店が数多く点在していて、ちなみに、付近には「野口製麺所」「きくや」「小島屋」さんなどなど、昔ながらの素朴で良い味出してるお店が沢山あるのです。

実はこの周辺って、元々土地が痩せていたために、水田のお米が取れなかったその代わりとして、昔から小麦の栽培が盛んに行われていたエリアなのですよね。ぼくの暮らしている所沢以上に、そういう場所だったのです。同じ埼玉でも、西と東では文化の土壌が大きく異なるように。

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讃岐うどんのお店だと、けっこう土壇場で注文迷うんですけれどね、やっぱり関東の国産地粉のうどんには肉汁が一番、ということで、この日もやっぱり肉汁のざるうどんの並盛、600円なり。おっと、この4月から40円値上がりして640円に。

このお店の地粉は、ぼくが自宅でたまに作る手打ちの粉とまったく同じ品種なので、うどんの風味も当然同じですが、自分が好きでよく打つうどんよりも、此処のほうが若干平打ちでしょうかね、もちろんちゃんと腰はあるけど、自分の好みよりは少し柔らかめかもです。でも、ファミレスやチェーン店の柔らかいうどんを食べなれた今のひとにはこれでも十分に堅めに感じるかも知れませんよね。

お汁は濃口醤油に鰹出汁の武蔵野風味、昔より多少薄味になったような気もしないではないですが、柔らかく煮込んだ豚バラ肉と絡み合って、きつね色の純正手打ちうどんにも良く馴染んで、いざ口に運べば、昔っぽい素朴でとても懐かしいお味が致します。

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余談ですけど、この界隈って、その昔は、一面武蔵野の雑木林が広がっていて、このお店の北側にある小高い丘は七国山ならぬ、八国山緑地。こどもの頃にぼくもよく友達と遊んだ狭山丘陵の、今でいう通称「トトロの森」なんです。かつて此処の近くに住んでいたことがある宮崎駿さんが野山を散策しつつ映画の構想を練った場所でもあるんですよね。そうそう、昔の結核病棟は、今は近代的な白亜の病院になりましたけど。機会があればまだまだ紹介しますぞ、武蔵野うどんのディープな世界。
by tokoro-11 | 2014-06-29 13:14 | グルメ

日暮庵へようこそ。日々思うことや感じたことなど気の赴くまま綴っています。既発表の詩や短歌もほんの一部だけ載せてます。


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